高齢者に多い高尿酸血症(痛風)
ある日突然、指などの関節が腫れて激痛が!
この症状は痛風発作とよばれ、歩けないほどの痛みが数日続くこともあります。
今回は痛風の背後に潜む、「高尿酸血症」についてお話します。
高尿酸血症とは
血液中の尿酸が異常に増加した(血清尿酸値が7.0㎎/dlを超える)状態です。
高尿酸血症の状態が長く続くと、血液に溶けきらなかった尿酸が結晶になって主に下肢の関節に沈着し、急性関節炎(痛風)を引き起こします。
高尿酸血症・痛風は生活習慣が原因となり引き起こされる疾患です。
また、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞など)の危険因子のひとつとされています。脂質異常症(高脂血症)・糖尿病、肥満、高血圧などを合併することも多く、その結果、脳血管障害(脳梗塞など)、心臓病を併発することも少なくありません。
高尿酸血症(痛風)を予防
1.適正なエネルギーの摂取
高尿酸血症は肥満者に多くみられ、多くの場合、減量することで尿酸値が低下してきます。
肥満をなくし、適正体重の維持が大切です。
2.プリン体を多く含む食品の摂取は控える
肉や魚の内臓類に多く含まれるプリン体は、体内で尿酸に代謝され、尿酸は尿中に排泄されます。
体内の尿酸が増えると血液中に蓄積されることから、プリン体を多く含む食品は控えましょう。
プリン体の多い食事 (モツ、レバー、肉、魚、バター、クリーム、アスパラ、カリフラワー 、ブロッコリー、ほうれん草、玉ねぎ、にんにく、椎茸、アルコール類 )
3.水分を十分に取る
尿酸は尿から排出されるので、水分を十分にとって尿量を増やすようにしましょう。
尿酸値が高い人は、1日2リットル以上水分をとりましょう。
4.お酒は適量を
お酒には、尿酸値を上げるプリン体が多く含まれています。
適量を守り週に2日は休肝日を作りましょう。
5.野菜はたっぷりと!
尿酸はアルカリ性~中性によく溶けるので、野菜、海藻類などのアルカリ性食品を十分に摂り、尿をアルカリ性に保つことが必要です。
ただし、果物は果糖が多いので摂りすぎないようにしましょう。